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いつかの夢の続き

第5章 Episodes櫻井:優しさの裏と表






遡ること30分前のこと



理事長とお話した帰り、
廊下ですれ違った女の子が

パタッと足を止めた




そして戻って来て私の腕をつかんだ。




振り向けば、その子は
歪めた怒った表情で私を見ていた。



「…は、なして…ください…」



震える私を他所に、


彼女は強く力を込めた





「なんなのよ貴女。
王子寮を彷徨くだけじゃなく、
彼らの周りまで彷徨いて…!!!」


「・・・」



何も言い返せなかった


彼女たちから見たらそうなのかもしれない
俯き、黙って終わるのを待つ




だけどそれすら気に食わないのか




「黙ってなんなの!!?
なんか言いなさいよ腹立つ…!!」



ぎゅ、と唇を噛む


女の子は何かを決めたように
私の腕を掴んだまま歩き出した




「ちょ、どこにっ…」




わけもわからないまま、


されるがまま




怖くて俯いた。

誰ともすれ違わない、
人気のない場所についた



そのまま私はドンと背中を押された




「何するの…」


顔を上げると女の子は
不敵な笑みを浮かべていた


「あなたなんて消えちゃえばいいのよ」





ふふ、と笑った女の子は


私の腹辺りを
強く蹴った



その勢いで床へ倒れ込む


何度も蹴られて
ぐらりとくらむ視界の中、




そうして私は閉じ込められたのだ







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