第5章 Episodes櫻井:優しさの裏と表
昼休み、俺らはこれまで
購買で買うか俺が作るかしていた
お昼ご飯も、
今は寮母さんが朝早く作った
お弁当を持参するようになった
俺は早起きが苦手だからなぁ
「おいしそ〜!いただきまーす」
雅紀が嬉しそうに食べ始める。
その横で亮も
黙って食べ始める。
「あのさぁ、生徒会室は
飯食う場所じゃないんですけど」
不満そうにつぶやくニノは、
相変わらず大量の書類に追われている
「ここしか安心して食べれないじゃん」
ふふ、と笑う雅紀に
舌打ちして再び書類に手をつける。
「大倉は?」
昨日までいたはずの大倉が
今朝から寮にも
学校にも見当たらない。
「けんきゅーじょ、
朝っぱらから出てった
バタバタうるさかったで」
卵焼きを頬張る亮が言った。
「ふーん…」
「仲直りしとかんで良かったんか〜ニノ」
亮がニノにふると、
不機嫌そうにチラッと見て
下を向いた。
「知らないあんなやつ」
「喧嘩中のカップルみたいだね」
あひゃひゃ、と笑う雅紀