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いつかの夢の続き

第4章 Episodes.錦戸:女好きにも理由がある






あれから時が経って、
俺は中学1年、兄ちゃんは高3になった



兄ちゃんの素行ぶりは荒れていた



あいも変わらず、
母さんの店に行って手伝ってるし



父さんは呆れ返っていた。





疲れ切った父さんの顔は、


段々と昔の明るさは消え失せていた。





「ただいま、父さん。
これ。テストの順位表」


「…ああ、おかえり。
どれ、…ああ。亮はまた首席やな
さすがやな、頭がええわ」



父さんはいつだって俺を褒めた

兄ちゃんの話になると、
表情が変わり不機嫌になってしまい


時々、物を壊す時があるが

それ以外はいつもと同じ。
優しい父さんだ






「国語のレポート出てん
2階で勉強してくるわ
ご飯はそのあと作るわ、ええ?」


「ああ。いつも悪いな」




仕事の無理がたたって、
父さんはよく体調を崩すようになった


だから家事全般は
俺が引き受けてするようにしてる







カチコチ、


鳴り響く秒針の音。


時計を見ると既に1時間半、
かなり経っていた




「そろそろ準備せんとな」

リビングへ降りると、

知らない女の人


高校生ぐらい




父さんと仲良さげだ、な




「誰やねんそいつ」


「この子はマヤちゃん
ユウマと同じ高校の子やねんて。
あいつ不登校気味やろ〜?
心配して来てくれてん」


なー、と

笑う父親に向けて、
マヤちゃんと呼ばれた女の子は


ニコッと微笑み頷いた。






「東雲真弥、よろしくね、亮くん」






可愛く微笑んだ、その笑顔


恥ずかしくて俯いて
よろしく、と返事した





これが2度目の裏切りやったなんてな、










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