第4章 Episodes.錦戸:女好きにも理由がある
ーー錦戸side
一人ぼっちになると寂しくなって
さっきからピコピコうるさい、
メールの通知音に無駄に反応してしまう
別に、好きなんかじゃなかった。
人と関わりなんて、
作る気すら俺にはなかったのに。
俺の心は空っぽなのに、
求めても求めても
こぼれてなくなる欲しいもの
女なんて、だいっきらい
「…だれか助けて…、」
寂しすぎて死んでしまいそう
何も無い、静かな部屋で
一人ぼっちは寂しい
むなしく響く通知音、
苛立って電源を消した。
こんなはずじゃなかったって、
ゆっくり立ち上がって。
また俺は好きでもない
女の元へ媚を売りに笑い歩く
『亮、まだ来ないの?
もう待ちくたびれてんだけど〜』
「変な女につきまとわれてる、
ゆーてるやろ、我慢せえやポンコツ」
『そんなこと言わないでよぉ
はやく!いまどこ?』
「すぐ着くわ」
俺を好きやって、
言ってくれるやつは、
どこにおんのやろ