第4章 Episodes.錦戸:女好きにも理由がある
コンコン、
開いたドアをノックされ
振り向くとそこには相葉さんの姿。
「どう、されました?」
「亮が辛そうだったからね
どうも苦手で、逃げてきたんだけど」
困った顔して相葉さんは
わざとのように笑った
「あの」
「ん?」
「あの女の人は、
錦戸さんの彼女、ですか?」
本命だと言っていた。
錦戸さんが凄く好きそうで
振り向いてくれないことで、
なんだかヤケになってるみたいだった。
「まあ、世間的に言えば元カノ?
付き合ってたかっていえば違うけど」
難しいな、って悩む相葉さん
「俺らがこういう"役割"を
担わせたのかもしれないね」
はは、と
悲しそうな寂しそうな、
そんな顔で笑った。
「やく…わり…?」
「女子達があんまり寮に
押し掛けてこないのは、そりゃまあ、
ニノの存在もあるんだけど、
それ以上に亮のおかげでもあるわけ」
そう言った相葉さんが、
ドアをそっと閉めて
こんな話を始めた