第3章 Episodes.相葉:笑顔の裏の崩壊
「泣いてる人を見ると、
父さん達が泣きじゃくるのを思い出すから」
「…泣きじゃくる…?」
「この話を聞いても、
嫌ったり泣いたりしないでね」
そう言って、
相葉さんが話し始めた過去の事。
凄く幸せな家だった。
よく笑う、明るい父親
不器用でおっちょこちょいの母親
活発で元気が取り柄な弟。
それから僕。
何一つ、汚れのない家族だった
どこにでも有り触れたモノと、
こぼれるぐらいの笑顔
休日になれば家族みんなでお出かけ。
この先、失うモノなんて、
何一つないんだって信じて疑わなかった
だって、幸せだったんだ
辛くたって笑いかける父親と、
落ち込んでも励ましてくれる母親。
いつも味方でいてくれる弟
誰も、僕も父さんも弟も、
そして母さんも。
ずっと幸せが続くと思っていたんだ。