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いつかの夢の続き

第3章 Episodes.相葉:笑顔の裏の崩壊







「必死に両耳塞いで、
行かないでって叫んでる
こんなに必死に叫んでるのに。
なんでこの人は忘れないんでしょうね」



そう言い、仕切りのカーテンを閉めた





立ち尽くした櫻井さんは
ぎゅっと握りしめていた手に、

悔しさを消すように力を込めた。






「翔さん、職員室に行くから
ちょっとついてきて」

「あ、うん…
ちゃんは
ここで相葉さん見てて」



「分かりました」





2人が保健室を出て数分、


相葉さんがゆっくりと目を開いた。





その視線は、
私の方へ向けられた。



「…あ、来てくれたんだ」



へへ、と笑うその笑顔は、

まるでお面のよう。






「気分はどうですか」


「あ、うん!平気だよっ
なんか心配ばかりかけさせてごめんね」



そうやって今までも、

相葉さんは笑っていたのだろうか






苦しいのに。助けて欲しいのに。


そうして、ニコニコ笑って、
意識を逸らそうとしていたのだろうか




なんで?どうして?



助けてと言える状況に居ながら、
取り繕う理由なんか、ないはずなのに







「僕は泣きそうな顔が苦手なんだ」



相葉さんがそう言い、
苦笑いした



触れると怖がる私に気を使って、
自分の頭をさすった。







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