第3章 Episodes.相葉:笑顔の裏の崩壊
ーーー、
うなされている人を見て、
人は、いったいなんと声をかけるだろう。
汗だくで、苦しそうな表情で。
彼は、何を見てるのだろう、
なんて聞けないことを心で問いただす。
「学校の敷地内だったけど、
道端で倒れてたのを生徒が連れてきた
耳を塞いで涙で顔が濡れてた」
生徒会長さんの顔が歪んだ。
きっと、相葉さんと
同じ苦しみを感じ取ってるんだ。
「寮に女子が押しかけてきた
その日から相葉さんは、
あまり外へ出たがらなかった。
原因は、そこにあるんだと思う」
櫻井さんがうつむいた
生徒会長さんも、それについては
把握していたから歪んだ顔しかしなかった。
でも、その言葉に、
櫻井さんが続けた
「フラッシュバックしたんだと思う。
今までもそういう事が少しあった
その度に相葉さんは部屋に引きこもった
きっと俺らに気を遣わせたくないから」
悔しそうに、強く唇が噛み締めた。
その表情に、
私はたまらなく切ない気持ちになる。
それなのに、私は
離れた位置から見守るしか出来ずにいた。