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いつかの夢の続き

第3章 Episodes.相葉:笑顔の裏の崩壊







午後、



櫻井さんも大倉さんも学校に
行ってしまっている中、




2階から相葉さんが降りてきた。





「あ、いずみん、おはよう!」


「あ、相葉さん」




明るい笑顔になんだかホッとして、


私もなんとか笑顔を向ける。






「寝すぎちゃったな~。
学校サボるの何回目だろうな~、なんて」



へへ、と笑って冷蔵庫から

朝ごはんを取り出す。




いつも通り。

おかしいぐらいにいつも通りだ。





それが、彼なりの気遣いで


ここでの日常なんだ。






1ミリも触れてはいけないタブー。




輝くぐらいの笑顔の裏に、

何かがあるって
私にだって分かるから





「いずみんは学校に行かないのー?」



黙り込んでいたと思った相葉さんが

スプーン片手にそう聞いた。




「い、いえ…私は。」




「いずみんって、もしかして
男の人が苦手だったりする??」



違う?


ニコニコした笑みで、

続けて
「答えたくないなら別にいいんだけど」


と、笑った。






「はい。苦手、です」




そう答えた私に、

相葉さんが考え込むような顔して


うーん、と唸った。






それは悩むというより、
紡ぐ言葉を選んでいるように思えた。





「今朝は、ごめんね。」





間接的ではないが、

決して直接的に指す言葉を出さず
相葉さんは視線そらして言った





困ったように下げた眉。



しんみりしたのを嫌うように、
あー…、と再び言葉を考える相葉さん






「見られたくなかったなぁ…
こんなことになるんだったら…」



小さく、でも、

聞こえるように呟いた。





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