第3章 Episodes.相葉:笑顔の裏の崩壊
目を覚ました朝。
リビングへ行くと櫻井さんが
制服を着てキッチンに立っていた。
私に気づくと、
パッと笑顔に変わる。
「おはよう、眠れた?」
「は、はい」
手際よく進める朝ごはん。
初めての場所では、
慣れるまでちゃんと眠れない。
ぼーっとしていると、
キッチンに居たはずの櫻井さんが
目の前にいた
「大丈夫?なんだか気分悪そうだけど」
不安そうな声に
ハッとして大丈夫です、と返事した。
「そう、ならいいんだけど」
キッチンに戻ろうとした時、
ガチャっと開いた扉。
入って来たのは夜中に
倒れていた大倉さんの姿だった。
服はぐちゃぐちゃに着こなした制服で、
だけど顔にはアザがあった。
「大倉、おはよ。ご飯食べるでしょ」
「ああ。白ご飯と味噌汁だけでええ」
「だと思った。はいどーぞっ」
櫻井さんはアザなど
気づいてないかのように
笑顔で接してる。
大倉さんの怪我は、日常的なものなのかな?
「…なに突っ立ってんねん、
はよ座って飯食えば。」
ん、と
椅子を引いてくれる大倉さん。
ほんのり赤くなってる頬に、
櫻井さんがふふ、と笑う
「そう言えば相葉さんは?
もうとっくに起きてる時間だよね」
「…あー……、」
言いにくそうに目を泳がせた。