第3章 Episodes.相葉:笑顔の裏の崩壊
写った1枚の家族写真。
黒く塗り潰された私以外の人
なぜこんなもの、
持ってきたんだろうって
ダンボールに投げ入れた。
ヤス君は言ってくれた。
僕が守るからって。
だからここまで1人で来た。
不安しかない、この場所に。
「はぁ…。不安しかないよ…」
でもやるしかないんだよね。
底知れぬ不安を抱えたまま、
私は布団に潜り込み、静かに眠りに落ちた。
ーーーーーーーーーー。
名前はなんて言うの?
そうか、泉森ちゃんか。
いい名前なんだね。
そうしたら、僕は
イズミと呼ぶことにしよう。
なんでか、って…
そりゃ、いきなり名前呼びなんて
さすがに馴れ馴れしいだろう?
僕の事は××と呼んでーーーーー。
ガシャン、
床に何か落ちる音で目覚めた。
嫌な夢だ。
とても昔の記憶。
真夜中2時過ぎ、
寮のドアが開く音がした。