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いつかの夢の続き

第8章 Episodes.泉森:愛と温もりと憎悪




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あの人が言った。


誰も君なんか必要としていないなら
君には僕さえいればいいじゃないか、と。



誰にも必要とされていない事ぐらい、

こんな私でも自覚してる。




ヤスくんがいて、お兄ちゃんがいて、


そこに寮のみんなが入って
それだけで幸せだった



当たり前の幸せだけで、良かった。



それでもあの人はきっと
奪われた不幸というのを知らないんだ






「ねえ、イズミ。
ここは誰にも見つからないよ。
だからずーっと2人っきりだ」


「…」

「前はすぐ見つかってしまったけど、
でも、あんなヘマは2度としないよ」



どうにでもなれ。

助からないのだったら、
今の状況を受け入れるしかない。



大丈夫。

私が我慢したら生徒会長さんは
寮のみんなを守ってくれる



「イズミ、お腹減った?
僕いまからご飯を買いに行くよ
大人しくいい子にしていてね」

「………はい」



でも本当は助けて欲しい。


ヤスくんいつ来てくれるの?
私を守るって、あの時言ってくれたよね?



それでも夢見るその願いも、


この人が容易く消し去ってしまうのだろう。







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