第7章 Episodes二宮:自分が帰る居場所には。
「は?どういう意味…」
『本来ならもっと良い学校に行かせたかった
お前が勝手をするから大目に見ていたが…
これ以上は通わせられなくなった』
ちゃんとした理由を教えない父親に
段々とイライラする。
教えたくない理由でもあるのだろうか、なんて
どうでもいい。
別に反発してどうにかなる訳じゃない
ゆっくり俯いて唇を噛み締めて、
涙が出るのをぐっと堪えた。
『まさかあの女が寮母とはな…
この俺も不覚だった』
「…あ、の女?」
『泉森だ。いるだろう?
あの引きこもりのオドオドした女が』
刺々しい言葉に不快感を感じながら
その言葉の疑問をぶつける
「彼女が、なにか?」
『あの女は金のある奴や権力のある奴と
夜を共にするような女だと聞いた。
そこにお前をいさせる訳にはいかない』
寮母が…?
そんなまさか。
男性相手に恐怖を示すような奴だぞ
そんな奴が狙うわけないだろう
それにボディーガードみたいな男だって
目を光らせてるのに。
『お前があそこを辞めたくないと言うならば
あの女を何としてでも追い出す事を考えている』
「…なっ、そんな」
『汚らわしい女の近くにいるなんて…
おぞましい、ゾッとする。』
寮母は、あそこを追い出されたら
居場所が残るのだろうか。
俺は居場所奪っていい立場なのか?