第7章 Episodes二宮:自分が帰る居場所には。
高校生になって、
寮に入ることになった。
正直、この年なれば
勝手に自分で手配もできるようなるから
せめて親から離れたくて
勝手に入寮した。
ニコニコ笑ってこれから楽しみ〜って、
バカみたい。
楽しいことなんか一握り、
どうせろくな事ありはしない。
寮に入って出会った4人。
それぞれがそれぞれに何か抱えて
でもそれを必死に隠そうとして
傷つき、苦しんでいた。
どうにかしようとは思ってなかった。
俺と同じような人が
この世にもまだいたんだなーって。
同情した。
人との関わりを絶っていた俺からしたら
こいつらが仲良くしようねとか言って
握手を求められたって困るわけで
また傷つくのは俺なんだ。
一人ぼっちなら、
傷つける人はいないから
そう言い聞かせて、
適当にアイツらと付き合う事にした。
生徒会長になって寮に寄り付かなくなって
時々帰ると女どもが
騒いでわめいてうるさくて
それに4人が辛そうな顔をしたから
「退学にするよ」
ただの脅しだったけど、
意外と効いたみたいで
それ以来寄り付かなくなった。
ありがとう、
笑いかけられて戸惑った。
でも何か分かんないけど
凄く嬉しかった。