第7章 Episodes二宮:自分が帰る居場所には。
「……じゃあなんだ?
お前らに俺の現状を変えられるのか?
抗う事が出来ないプレッシャーを与えられ
そんな中で翔さん達だけは守りたくて、
出された交換条件に仕方なく従った。
だってそれ以外にこれから先を守る自信は
今の俺では確信ができなかったから。」
嫌だって言えたらどんなに楽か。
ここに居たいし、コイツらとも
寮母さんも残してほしい
それが言えたらこんな風に悩まないだろう
「お前らなんかに…
この苦しみは分からないよ!!!」
飛び出して、
久しぶりの寮の部屋。
掃除してはいるけど、
どこかホコリっぽくてむせる。
扉にもたれ掛かって、
ズルズルとゆっくり座り込んだ。
俺ってこんなに弱かったっけ?
「…これだから人と関わるのは嫌いだ」
情が生まれて弱くなる。
そうすると今まで1人で上手く回ってたものが
上手く回らなくなってくる。
他人の心配をしなくちゃいけなくなる
人間関係を作るとしんどい。
傷つけることになって、
傷つく事になるのも、
いつだってこの俺だったんだから。
「………っくそ、」
何も上手くいかない。
ああ、苦しい。辛いな。
俺はどうしたら正解だったんだ
どうしたらお前らを守れた?