第3章 Episodes.相葉:笑顔の裏の崩壊
苦笑いした櫻井さんが、
ソコから視線を逸らして俯いた。
そして震えていた手を片方の手で握った。
「俺、キッチンに戻ってるね」
足早にそこから立ち去る櫻井さん
それに気づいた相葉さんが
眉間にシワを寄せ、不機嫌になった
「いい加減にして!!!」
女の子達に向かって叫んだ。
「迷惑だって言ってるじゃん!!!
なんで分かんないのかな?!」
息を切らして、
相葉さんは彼女達を睨んだ。
女の子達は怒ったことに慌てて、
さっさと帰っていった。
「だい…じょうぶ、ですか」
閉まったドアの前で立ち尽くす
相葉さんに声をかける。
相葉さんもまた、震えていた。
「僕ね、騒ぐ声とかさっきみたいな叫び声とか、
とにかく色んな音が苦手なんだ。
怖いことを思い出すから。でも仕方ないよね
だって、亮が居ないからさ。」
「りょ、う…」
あ、チャラそうな人か…。
不安そうな声から一変して
相葉さんは笑顔に戻った
まるで最初の明るい時のように
「さーて!歓迎会再開しよっか!
翔ちゃんも準備済ませて待ってるかもね!」
お腹空いたねえ~、
スキップしながらキッチンに戻る相葉さん
手が震えていた。
それだけじゃない。
櫻井さんが慌ててキッチンに
戻って行ったと気づいた時
相葉さんは、怒鳴った声に
不安そうな声も入り交じっていた。