第7章 Episodes二宮:自分が帰る居場所には。
二宮の告白に、言葉を失った。
ねーさんを辞めさせる?
二宮が辞めなくてええように?
なんで、何もしてへんねーさんが…
「俺がここから居なくなれば、
あいつらを守る盾が無くなってしまう
もう傷つけたくないんです」
「…ねーさんは傷つけてええってことか」
「…」
「僕かて、もう。ねーさんがこれ以上、
傷つけられて欲しくなんてないねん!!」
本当だったらみんなと同じように、
好きな人とか作って
友達かてたくさん作って
時々寄り道して遅く帰ってきて
旅行とか遠出とかして
そういう生活をしたいと思う。
でも出来ひんねん。
怖くて出来ひんねん、ねーさんは。
だから、僕は、傷つかへんように
守ろうって決めたんや。
「さぞ楽やろうな?
ねーさんに思い入れないから。
簡単に辞めさせることも出来るやろうし」
「なんとでも言えばいい」
「お前が傷つけば良かったんや…!!!」
退けっ、
と知らないおじさんを押しのけ
生徒会室を飛び出した。
なんでや、なんでこうなんねん。
あいつらには守る盾がないのかもしれん。
けど、それはねーさんも同じや。
いつも一人ぼっちで戦ってんねん…