第7章 Episodes二宮:自分が帰る居場所には。
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僕の力が必要なほど
二宮は弱りきってんの?
「なーあ。もう帰ってええ?
ねーさんのご飯食べたいんやけど」
生徒会長の席に座って黙り込む二宮に
そう聞いたって、
やっぱりガン無視されるだけ
助けて欲しいと言いながら、
何を助けたらええのか
何一つ僕に教えてくれへんで
「…はぁ。もう帰るで」
と歩きだそうとした時だった。
ガラ、と開いた生徒会長室の扉
入ってきたのは、
知らないおじさんやった。
「だれ?」
そう呟いた僕を睨みながら、
後ろにいた二宮の方に歩いていった。
こいつも無視かよ!
「帰るぞ。」
その一言に二宮は「はあ?」と
顔をしかめた。
「帰りませんけど」
そうやろな、
あんたの家はここやもんな
「バカを言うな。この学校はやめる、
そういう約束をしただろう。忘れたか」
「…」
辞める…約束?
「二宮どういうことなん?
辞める話って、あれほんまなん?」
「…」
「黙ってへんでなんか言えや!」
二宮は唇を噛み締め、
意を決したように言った。
「…そうです、でも俺は、
学校辞めたくなくて助けを求めた。
交換条件として、寮母を辞めさせる
そういう条件を出された」