第7章 Episodes二宮:自分が帰る居場所には。
ーーーー安田side
ねーさんにとってここが好きな場所
近くにいて嫌でも実感した。
普通に笑ってるから。
なのに、僕はそれが嫌だった。
いつだって傍に僕がいて、
ねーさんは僕の隣で笑ってくれた。
僕のこと大切だと言ってくれた。
とても嬉しかった。
僕はそれに応えたくて、
ねーさんのためなら何でもできる
ねーさんを傷つける場所に見える
違う。
ねーさんを奪うところ、やな。
僕から離れてってまう
それが嫌で、だけど言えなくて。
だって傷つけてまうから。
「なにしてんの、そこで」
一人ぼーっと外にあるベンチにいたら
生徒会長の二宮が立ってた
ぼんやり灯に照らされ見えた顔は
かなり疲れた顔をしていた
「あんたに関係あらへんやろ」
ほっとけや、と
そっぽを向く
すると二宮は僕の隣に座った
なんやねんこいつ。
と離れて行こうとする僕を
引き止めるかのように言葉を発した。
「俺、学校辞めようかなあ」
お腹すいたなぐらいのノリで
二宮はそう言い放った。
「は?」
思わずそう返した僕に
はは、と乾いた笑いをして
ため息をついた。
「仲良し小好しなんてするもんじゃないね
傷つく事になるのいつでも自分自身ですから」
「そんなん自己中心的考えとちゃうの?
傷つく事になんの相手にやってあるやろ」
「そう?でも俺は今日までずーっと、
俺ばかりが傷ついてきたんですよ」
この僕にどうせえ言うねん。
助けて欲しいって言うてんの?
もしかしてやけど。
やめえや、
助ける気さらさら無いねんけど。
「嫌なら嫌やって言えばええやろ」
「言えて白紙になるなら言ってるよ
無理だからこうしてるんでしょ?」
馬鹿じゃないの、
突き放すようにこぼしたそれと同時に
二宮は涙を流した
「助けて欲しいって、言ってんだけど」