第7章 Episodes二宮:自分が帰る居場所には。
だけど私にはどうにも出来ない。
これは、生徒会長さんの
気持ちどうこうじゃないと思う
ご両親との和解、そして理解が必要だ
「…深入りしてどうすんの」
突如聞こえた声に勢いよく振り向くと、
少し不機嫌のヤスくんがいた
冷ややかな目はきっと
今の話の流れや私の気持ちを察してのこと
「深入りしてねーさんに何か出来んの?
家族の呪縛は変えられへんねんで。
二宮が、どうにかしたいと思わへん限り、
いつかアイツは消えてなくなる。」
「…そんなの」
「助けてって、助けて欲しいって、
んな簡単に言える言葉とちゃうねんで
ねーさんなら分かるやろ、意味が。」
そうだ。
助けて欲しいって、
言葉に表すよりずっとずっと、
口に出すことは難しい。
助けて欲しくて叫んだ事で、
傷つけてしまったら?
最悪な事態になってしまったら?
先を見越してしまって。
「それでも助けて欲しいって
ニノが思ってるんなら助けてやる。
向こうは違くても、俺は友達と思ってる
ちゃんはそうじゃないの?」
「私は…。」
「ねーさんをお前らと一緒にせんといて」
部屋に戻ろう、ねーさん。
と手を引かれ私とヤスくんは
そのまま部屋を出た。