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いつかの夢の続き

第7章 Episodes二宮:自分が帰る居場所には。






「昔ね。ニノが生徒会長になったばかりの頃
ニノの両親がすごく厳しくなったんだよね」

「お金持ちなんですよね。生徒会長さん」


「うん、だからこそ余計にね。」



ああしろ、こうしろ、


命令され慣れた生徒会長さんは
ご両親に歯向かうことはしなくなったそう


傷つくことを知っていて、

そして相葉さん達をも
傷付けることを分かっていたから。



「それでも1度だけ。ニノは逆らったんだ
それも両親がすごく嫌がることでね」

「嫌がること…?」


「修学旅行に、行きたいってお願いしたんだ」





なんでもないお願いだった。


ただ一つだけ、
思い出が欲しかったんだ。


修学旅行に行かせてください。


土下座してまで懇願したが
父親が頷くことは無かった。


無駄なことに時間を費やすな


その一言で片付けられたのだ


「それでも修学旅行に参加した。
帰ってきて翌日の学校に来たニノを見たら
それは見てられなかったよ、僕は」



切なそうに俯き、

ちょっと苛立っている様子で。




「…っ、顔にも体にもアザだらけ。
きっと殴られ蹴られたんだよ。ニノは」

「そんなっ…!!

「ニノはそれから寮には帰らなくなったよ
必要以上に人との関わりも持ちたがらなかった
また傷つくのが嫌だからだと思う」


腹が立つよ、

そう言って拳に力を込めた相葉さん




私も、腹が立つ。

それでも私には身近に
味方がいてくれた


きっと相葉さんにも、弟さんが。



じゃあ、生徒会長さんは…?


そんな第三者が居たのだろうか。
きっと居なかったんだろう


ずっと、1人で我慢していたのかな。









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