第7章 Episodes二宮:自分が帰る居場所には。
最近の生徒会長さん、様子が変だ。
私にはともかく、
櫻井さん達に妙に冷たい。
週一ぐらいは寮に戻っていたけれど
最近は月に一度が多い方。
「うーん、行事が立て込んでるからね
もうすぐ体育祭だし。そのせいかも」
櫻井さんがそう言う理由は、
以前にも行事が立て続けにある時期は
寮に基本的に戻らないらしい。
生徒会室でずっと作業しているみたいで、
疲れてそのまま寝るのを
繰り返しているためだとか。
「そんなに…大変、なんですか」
「まあ、権力があるぐらいだからね
やるべき事はたくさんあるよ」
そっか
それなら納得だけど、
なにも1人ですることないよね
よく聞く、副生徒会長とか、
書記の人とかに手伝ってもらえば…
「ニノは人に頼りたがらないからね
人間関係を築くのが面倒に思うやつだから」
「でも、ここの人達には比較的に
優しくされてますよね?」
「うーん…。恩返しって言うか、
他の人よりは大事にしてるかもね」
恩返し…?
恩返しということは、
ここの人たちに生徒会長さんは
助けてもらったということなのかな?
人嫌い女嫌いな生徒会長さんが、
恩に思うほどの、こと…。
「余計な事は詮索しない方が身のためだよ」
考え込む私に櫻井さんが言い放った。
それに「え?」と聞き返すと、
櫻井さんは真顔から微笑んでくれた。
「じゃないと、ニノが怖がるからね
ちゃんも傷つくことになるよ〜」
ごはんごはん〜と
席を外した櫻井さんの横で
ふふ、と微笑む相葉さん
「それでも気になるよねえ〜?」
そう言って、またふふっと微笑んだ。