第6章 Episodes大倉:無愛想な理由
「ただい…」
寮に着いて、ただいま〜と告げようとしたら
リビングからねーさん達が出て来て
大倉を見て、安堵した様子を見せた
それよりも僕のただいまを遮るやなんて
ちょっとひどない???
「大倉さん…、大丈夫ですか?!」
「大袈裟やなぁ。大丈夫やけど
ちょーっと、みんなに頼みあんねんけど…」
大倉がそう切り出して、
後ろに隠れていた弟達を前に出した。
ぎょ、っと目を見開くみんな。
「え…だれ?」
「大倉にどことなーく似てるね」
「弟達やねん」
どうも、とお辞儀をする2人。
僕が事の経緯を説明した
ねーさん達は理解と納得をしてくれて、
うんと頷いてくれた。
「あとの問題はニノだよね」
相葉がそう呟くと、
みんなも黙って頷いた。
寮に学生以外の人を住まわせるには
生徒会長の二宮の許可がいる。
あの人嫌い女嫌いの生徒会長が
すんなり『いいよ』なんて言うはずない。
「別に構いませんけど」
突然聞こえた声に、
「びっっくりしたー!!なにもうっ!」
と相葉が叫ぶ。
「いや、普通に玄関から入りましたけど…
ちょっと邪魔なんで奥に行ってもらえます?」
すみませんね、と避けて中へ入る。
まさかの…すんなりOK?
「事情が事情ですからね。理事長にも話しました
判断は一任すると言われましたけど」
「…なら、ええの?弟達、ここにいて…」
「無駄にうろちょろしたら迷惑ですが
いいです。そこまで鬼じゃないからね」
あと、
「おかえりなさい」