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いつかの夢の続き

第6章 Episodes大倉:無愛想な理由





「昔はな、おとんも優しかってん
頭が良すぎる俺を利用する事しか
頭にない大人からいつも守ってくれて」


「へえ〜。それが今はあんな落ちぶれて?」


「母さんが亡くなってしもうたからやで」

「母さん、が?」


「おとんはな、愛妻家やってんで〜。
せやけど亡くなってもうてから落ち込んで
似てる女の人と結婚したりしててん
それで出来たんが悠汰と柊真やで」


愛妻家やったひとが、

平気で自分の子どもを傷つけるん?



親やのに、傷つけてまうって
理解出来へんけど…



「それでも親は親なんやなぁ」


ねーさんもそうやからよく分かる。

家族は家族や、
どんなに酷いやつでも。


残酷や





「みんな、俺のこと待っててくれとるかな
こんな俺のこと…みんな…」

「待ってるから僕が来たんやろ」




アホやなお前、と

僕が笑うと目をまん丸見開いて
嬉しそうに「そうやなあ」と笑った。



そんな、楽しそうに笑うやなんて思わへんかった



「悠汰!柊真!競走しよーや!」

「兄ちゃん〜、悠汰はあかんやろ」
「えーしたーい!」





それでも、


幸せそうに笑うやつほど
苦しくて辛い気持ちを持ってるんやって

僕は知ってる。



「言うん忘れてたけどぉ、
車があるんやけど乗ってかん?」


「「先言うてや!!!!!!」」









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