第6章 Episodes大倉:無愛想な理由
おっさんの方に行こうと部屋を出たら、
ちょうどおっさんが立ってた
「どういうおつもりですか?」
怒った顔で、丁寧な言葉遣いに
後ろにおる3人はかなり怯えていた。
これのどこがこわいんやろなぁ
「どうもこうも、学校に連れて帰んねん
ここ息苦しいやろ?居ても辛いだけやん」
「それは貴方に決められる事ではありません
親であるこの私が決めることです。」
「ふうん〜。どうでもええわ
理由なんてこじつけとるだけやしー」
僕がそう言うと、さらにイライラしたのか
舌打ちをするおっさん。
そして一つため息を吐く。
「邪魔です」
僕を押しのけ、後ろにいる大倉の腕を
強く掴み前へ引っ張り出した。
いきなりのことに声も出ずにいると、
おっさんは大倉の
胸ぐらを強く握りしめた
「貴様やろ、助け呼んだんわ
せやから外に出しとうなかったんや」
「お、俺ちゃうわ!」
その言葉にぎゅ、とさらに強くに握る。
おっさんにとって大倉は、
いったい何なんやろ
「なあ、おっさん」
「なんや」
「大倉や、この子達は自分の子どもちゃうん
親なんやったら大切に思うもんやろ
かけがえのないもんて、せやから大切に思える
おっさん、あんな?大倉は道具ちゃうねんで」
大倉にとったらどんなに酷くとも親や
子どもはみんなそう。
でもその親は身勝手や。
その純粋な気持ちを利用する。
紛れもない悪意から