第6章 Episodes大倉:無愛想な理由
「…もしもし?あー俺俺。
うん、せやねん、いま向かっとる」
『の事は、守れよ』
「うるさいな〜、当たり前やろ」
電話を切り、携帯をポケットにしまう。
あれからみんな混乱しとるし、
どうやら退学届けも届いたって聞いた。
ねーさんは何も出来ない無力さに
落ち込んでた
俺は、あいつらなんか興味無いし
どうなったって正直別にいいと思っとる。
だけどねーさんが助けたいと
思ってる限りは俺がねーさんの力になる。
「…にしても、どっから入ろうかな…」
厳重に管理されてるのだろう。
門は警備員によって見張られ、
そこを通らないとならないみたいだし。
こんな広くて厳重なら
どうにもならなさそうやな。
「やっぱ、根回しせなあかんかなぁ」
俺だけの顔じゃ、
たぶん追い返されるオチだろうしな
「ん?」
ポケットに入れた携帯が震える
どうやら電話らしい
画面を見れば、相手はねーさんだ
「もしもー…
『ちょっとヤスくん!!なにしてるの!?』
「出るなりいきなり怒らんといて〜」
『どこにいるの!』
「えー教えたら戻れって言うやろ」
『良いから!』
まあ、ねーさんが言えって言うし…
「研究所前」