第6章 Episodes大倉:無愛想な理由
はぁ、やってしまった。
真っ白の部屋に入れられ
どす、と座り込んだ
窓もなく、ただ真っ白の部屋で
気が狂いそうになる。
あいつら心配してくれてるんかな。
探そうとか考えてくれとるかな。
いやまさかな。
流石に探すまではせえへんよな。
淡い期待して、そんな期待さえも
簡単に諦めてしまうほど
俺は何の希望も抱いてはいなかった。
小さな頃、意味分からん研究の
手伝いをさせられ精神的にも
ボロボロな時。
俺は小さな夢を見た。
いつか外に出て綺麗な景色を見たい。
こんな白いだけじゃなくて、
緑とか青とか、水色とか赤色とか。
たくさんの色を見たかった。
初めて外へ出た時の感動は
今でも覚えてる。
ニノには世間知らずだとバカにされたっけ
今じゃ手錠され足枷はめられ、
俺は何のために生きてんのやろ…。
ガチャ
「忠義、仕事です。来なさい」
こんなクズの為に生きてるんかな
「何してるのですか。早くしなさい」
「2回も言わんでも分かっとるわ、鬱陶しい」
ああ、俺、やってしまったな
あかん、外に出えへんかったら良かった。
友達なんて、作るんじゃなかった。
俺、独りぼっちは辛いって寂しいって
思ってしまっとるやんか…