第6章 Episodes大倉:無愛想な理由
寮に帰り、リビングへと行くと
俯き深刻そうな顔の相葉さん
心配そうな顔の櫻井さんがいた。
「ただいま帰りました」
「なんか考え事?」
そうヤスくんが聞くと、
うん…、と頷いた。
「どうやら大倉のやつさ、
研究所に連れ戻されたみたいなんだよね」
「連れ戻された…?」
「熱で寝かせてたんだけど、
ふらっと外に行ったまま連れ戻された
研究所の研究員の人が来てね」
「もしかしたら戻って来ないかも…」
不安そうな顔でそう言った。
ヤスくんに視線をやると、
首を傾げどうにも出来ない感じで
視線をそらした。
「何の書き置きもないから
おかしいとは思ってたんだよ。
でもね、まさか…」
「ニノに聞いたんだ、そしたら
そう言ってて。戻れるのかもわからない
下手したらアイツは外部との接触を
絶たれる状況になりうるかもしれないって…」
「それって…監禁するってことですか?」
「そうだよ。」
「どうしたらいいか分からない」
生徒会長さんは相変わらず
寮には居ないし…
錦戸さんもまだ帰宅してないみたいだし
怖くなって私もうつむいた。