第6章 Episodes大倉:無愛想な理由
終わったーー!!
同時に叫んだその声のあと、
校内放送で下校を促す放送が流れる。
「そろそろ帰らんとな、暗いし」
「これどうしよう」
「適当に置いとけばええんやろ」
ばざ、と生徒会長が座る席に
乱暴に置くヤスくん
帰ろ帰ろ〜、って
私の荷物まで持ってくれるヤスくん。
「体育祭か〜、もうそんな時期なんやな」
「行事って盛り上がれるもんね」
「んでもさぁ、体育祭って
動くしダルいで、俺は好かんな」
へへ、と笑う。
ヤスくん面倒くさがり屋すぎ…
「私は楽しみだよ、体育祭」
そう言うときょとんとした顔で
私の顔を見るヤスくん
「体育祭って、一致団結して
一つの目標に向かって頑張るもの
なんでしょ?凄くいい行事だと思うなぁ」
「ふーん…、学校の行事って大体は
一致団結して何かやり遂げるものやから
俺は偽善っぽくてムカつくけどな」
ねーさんは好きなんやぁ、
と微笑む。
一瞬だけでもいい
みんなと心が一つになるのって
きっと感動するものだと思うから。