第6章 Episodes大倉:無愛想な理由
「体育祭?」
「あんた体育祭知らないの?」
目の前に怪訝そうな顔して
椅子に座る生徒会長さんがそう聞いた。
大倉さんは櫻井さんが看病してるなか、
私は生徒会長さんの命令(?)で
生徒会室にて体育祭とやらの準備のお手伝い
どうせあんた暇なんでしょ、
と鼻で笑われました。
失礼な、家事がありますよ!
「あんまりよく知りません…」
「ふーん、学校とか行ってなかったの」
「小さな頃は家にほとんど居ましたから」
「へえ」
根掘り葉掘り聞く癖して
返事はかなり素っ気ない感じで
山積みにされたプリントや
ファイルに1つ1つ目を通していく。
「ここはね、夏休みに入る前に
体育祭をして明けたら文化祭が始まるの」
「だからグラウンドが騒がしいんですね」
「そ。でもあんたは関係ないね
どうせ寮か保健室にこもってんでしょ」
ふっ、
と馬鹿にしたように笑う(バカにしてます)
はい、と唐突に渡された分厚いプリント。
「5枚ひと組にしてホッチキスで止めて」
ぽいっ、投げるようにして
ホッチキスを渡す生徒会長さん
「俺はちょっと用事あるから。
終わったら適当に置いといて」
じゃ、
それだけ言って出て行ってしまった。