🍊レンジ物語番外編・とある夫婦の△関係┏(┏^o^)┓🍊
第2章 阿部さんの任されたクラスは…??
你健一と言う男はどうも無駄な話が好きらしい。
女子の制服もうちょっと可愛くしたらいいのになぁー…とかさっきから女性の話をしてばかりいる。
私はあいにく男性が好きだから余り興味はないので、独りでブツブツ独り言を呟く你先生の後に続く。
コツコツ、朝のチャイムがなり終わった学校の廊下は静まり返り、ただ一方的な你先生の独り言と靴が地面を叩く音だけが響いた。
暫くそれが続いた後、 ふと、你先生はそう言うと急に立ち止まった。そして彼は細い腕を私の首に絡めて耳元で「で、さぁ?」そう囁いた。
耳にかかる息にドキドキしながら続きを待つ。
そして…
「阿部くんは誰が好み?」
「は…?」
思わず間抜けな声がでてしまった。
ポカーンと口を開けて暫く返事が出来なかった。
「だーかーらー!阿部くんは今日遭ったあの3人の内誰が好みなのって!」
意味がわからない私を他所に
隠すなよー。
そう言い你先生は私の脇腹を笑いながらつつく。
「ほら。言っちゃえって、清楚な白瑛チャン?色気ムンムンなツェリちゃん?それとも妖艶なお濃ちゃん?」
鼻の下を伸ばす様はまさに変態だった。
そんな彼に若干引きながら、
私は…そう前置きして話始めた。
「私には、心に決めた相手がいますので…」
御3方は確かに大変魅力的な方ですが…。
困った様に言うと你先生はポカーンとした顔をしたあと、
「ハハッ、そうか」と苦笑いして白衣のポケットに入れていたタバコに火を付け吸い始めた。
ここは学校…と一瞬思ったが、それは你先生に遮られる。
「まぁ、そんな相手がいるなら仕方ないよなー」
応援してっから、頑張れよ。
火のついたタバコを1度口から離し二カッと笑って言う你先生。思わずドキドキしてしまった。
その後は、お互い他愛のない話をしながら歩き約5分後。
你先生が立ち止まったのはとある部屋の前。
どうやらここが今日から私が任されたクラスのようだ。
気合を入れて入ろうとすると、後ろから何かが背中をポンポンと叩いた。 振り向くとそこには白色の兎。
《アベちゃん、ガンバッテネ♡》
兎の後ろからこちらを子供の様な無邪気な笑みを浮かべた
你先生の姿が見え、思わずキュンとしてしまった。
手を振る兎に見送られながら、
你先生も案外ありかもしれない。
と思いながら私は教室のドアを開けるのだった。