🍊レンジ物語番外編・とある夫婦の△関係┏(┏^o^)┓🍊
第2章 阿部さんの任されたクラスは…??
健先生に追いついた私は、なんと言葉をかけたらいいのか分からずとりあえず隣を歩く。
ざわざわ……
授業を既に開始していた最初とは違い休憩中の今は
廊下には別のクラスの生徒達がちらほらいて健先生は
それに自分から絡まれに行っていた。
「香織ちゃん、紅花ちゃん、奈津ちゃ~ん!
今日も可愛いねぇ~♥」
「わ、健先生。おはよう!」
「おはようございます。」
「げ……!ちょ、妹に近付かないで!」
「えー……酷いなぁ。」
「奈津ちゃん、あかんよ。そんな事言っちゃ。」
「そうそう、先生優しいよ?
って、あれ…?
健先生、隣の人はだあれ?」
最初は他クラスの女子生徒の会話から
始まり、私達の周りには人だかりが出来ていた。
「うわあ、トレス先生よりムキムキや~。
新しい先生??」
そう私を見つめ目を輝かせて言う男子生徒。
性質からか好みを探してしまいそうになり思い留まる。
うん。まだ、逮捕はされたくないな。
生徒に囲まれた健先生はニッコリと笑って少し生徒達に目を合わせるようにかがみこんだ。
「ん?この人は今日から研修で来た阿部先生。多分そのうち君たちの所にも何かで行くんじゃないかな??」
その時は仲良くしてやれよ~?
二カッと笑うと男子生徒の頭に手を置くと軽く撫でた。
「ふーん。阿部先生か、宜しくな!」
健先生に頭を撫でられた生徒は
可愛らしい笑顔を私に向けそう言った。
その生徒に釣られるように次々と私にかかる言葉。
その傍らで子供の様に無邪気に笑う健先生。
こう言う不意に見せる彼が先生だと言う事を感じさせる優しさや、気軽に話せる友好的な子供のような部分が
あるから、いくら卑猥な事を言おうが冷たい目をされようがこの人は好かれるのかも知れない。
先ほどのような彼らの反応も
この部分を知るからこその事なのかもしれない。
彼と生徒達の様子を見て私はふと、
そう思った。
何か、納得できたような気がした。
そして私達が動ける様になったのは
次の授業が始まる5分前の事だった。