第2章 いつもの朝と違和感
もう一度聞こえた
母の声に、現実に戻され
菜央は、はぁ…小さくため息を吐いて
「今から行くよ」と返事をして
自分の部屋を出た。
…
一階に降り、
顔を洗うと、テーブルにつく。
今日の朝食は
フルーツを挟んだサンドイッチと
フルーツのジュース。
イタダキマス。
と両手をあわせてから
椅子に座りTVを見ながらサンドイッチを食べるのが
登校前の習慣になっている。
TVでは
最初、ニュースや特集がやっていたが
今は可愛い動物達の写真で始まる占いが始まった。
最下位から始まって
次々に良い運勢が発表されるのは
いつもドキドキだ。
それは遅ければ遅いほど。
そして、今日は自分の星座が
中々出ない。残るのは、
最下位と1位だけ。
どっちだろ…。
思わず食べるのを忘れ
画面を食い入るように見つめる。
そんな私の横で黙ってご飯を食べる母。
そして一位と最下位の星座が
遂に発表された。
一位。
乙女座の貴方。今日は何をするにも
一番最適な日。見知らぬ異性と運命的な出会いをするかも?!ラッキーポイントは茶色色の鈴。
二位。
かに座の貴方。今日は、物を落としたりと
何かとついてない日。大切な人とトラブルがありそう。
ラッキーアイテムは、チェックのタオル。
あーあ、〇〇さん最下位ですねー
占いが終わり、司会者達が先ほどのランクを
ネタに和やかに話し出す。
しかし、それは彼らだけてなくて…。
テレビに乙女座が出た
た瞬間、私は、思いっきり叫んでいた。