第2章 いつもの朝と違和感
ここは日本にあるとある県。
暗かった空に少し太陽が登り
空が明るくなる朝7時。
「…、…。」
窓から差し込む光に
ベッドで眠っていた
この部屋主の少女…菜央は逃げる様に
かけていた上掛けの布団を顔の半分までかけ直した。
そうすることで漸く落ち着いたのか
彼女の部屋からは何も音がなくなる。
「菜央~!ご飯よー!」
やっと、すやすやと寝息をたて始めた
菜央の部屋に今度は
1階から母の声が聞こえてきた。
また眠る事を妨げられた菜央は
少し眉を歪ませながら
寝ていたベッドから身体を起こした。
「ん-…」
まだ半分眠ってる状態で
ベッドから降りたからか
ふらふらとした足取りで
最初に安眠妨害していた太陽の光が反射する窓に向かう。
アクビを漏らし
目 を擦りながら窓を開けると
太陽の光の暖かさが気持ちいい。
鳥の鳴き声や外で通学中の子供たちの
元気な声が聞こえてきて、思わず
顔が綻ぶ。
(あぁ…今日も良い日になりそうだなぁ)
外を見ながらぼんやりと
そんな事を考えていた#MAME5#の耳に、
「ちょっとー?菜央?起きてるの?ご飯よ~!」
と一階と二階に繋がる階段から
母の声が聞こえてきた。