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科学班の恋【D.Gray-man】

第81章 そして誰もいなくなった



「しっかし…」

「これで五人目、か…」

「だから油断するなって言っただろ…」



やれやれと肩を下げる科学班一同。
彼らの目線が向く先には、五人の人影。



「「"だから"…?」」



ぴくりと、その中で一層小柄な二人の少年の口元がヒクつく。



「ぬぁーにが油断するな!だよ!お前らが変な薬作り過ぎなんさッ!」



ぶわっと翡翠色の隻眼から涙を零しながら指差してくるは、赤毛の小柄な少年。



「テメェら実は仕事しねぇで遊んでたんじゃねぇのか…ッぁア!?」



ギラリと手にした模造刀を向けて殺気立ってくるは、黒髪長髪ポニーテールの小柄な少年。

二人はサイズの合っていないぶかぶかの服を着込み、共に怒りを露わにしていた。
そう。
見た目は子供、頭脳は大人。
その名はエクソシストのラビと神田。
である。



「折角手伝いに来てやったのに、なんさこの仕打ち!」

「椎名がチビになった時はコムイが原因だったんだろ…!なんでまだチビになる薬なんざあるんだよ!お前らもコムイと同類じゃねーか!」

「さ、さー荷造り荷造り」

「よし頑張るゾー」

「おいシカトすんなさ!」

「叩っ斬るぞテメェら!」



くるりと背を向け、現実から目を背ける。
そんな科学班一同に、ラビと神田の罵声が木霊する。

科学班の引っ越し作業の手伝い中、其処ら中に散乱する薬品の取り扱いに慣れていない所為か、見事に薬品を被って被害を受けてしまった二人。
忽ち体は幼児化し、南が幼児化した時に比べればまだ幾分大きいが、それでも10歳前後程へと変貌してしまった。

科学班の薬品で被害を受けたのは、この幼児化した二人と長髪になったアレン。
そして残るは、頭ににょきりと謎の"耳"を生やした人物だった。

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