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科学班の恋【D.Gray-man】

第80章 再生の道へ



「ラビ…お前、南に何言ったんだ」

「や、はんちょ…ちょっとした出来心って言うか…話の流れでって言うか…科学班は仕事し過ぎなんさ、ウン。ロボットみたくも見えるだろ、ウン」

「なんだそれ」

「はっはー☆やだなぁ!いくら僕に改造技術の腕があるからって、皆をロボ化なんてしないよ。疲れ知らずのリーバーくんなんて怖いデショ」

「室長は少し黙ってて下さい」



はぁと深く溜息をついて、一歩科学班の輪から踏み出したのはリーバー。



「南」



床に座り込んだ南の前で、視線の高さを合わせるように片膝をつく。
名前を呼べば、俯いていた顔が上がる。
それでも視線は少し上向きとなる、まだ揺らいでいる暗い瞳を受け止めて。



「大丈夫だ。誰一人ロボットにはなってないから」

「…リーバー班長…」

「驚かせちまってごめんな。皆、南の帰りを首を長くして待ってたんだ」



ほら、と苦笑混じりに差し出される手。
変わらない上司の苦い笑みと、変わらない大きな掌。
その二つを視界に捉えて、ぱちりと瞬いた暗い目に光が宿った。



「す…すみません…取り乱して、しまって」



いつもの調子を取り戻したのか、照れ臭そうに俯きながらも掌に重なる小さな南の手。
ゆっくりと腰を上げながら、リーバーは優しくその手を引いた。



「南が謝ることじゃない。驚かせたのは俺らの方だからな。でも皆南に会えて嬉しかったんだよ。許して欲しい」

「は、はい。勿論っ」



つられて立ち上がりながらコクコク頷く南の顔に、もう不安な色はない。
ほっと肩を下げつつやんわりと握っていた手を離すと、首の後ろを掻きながらリーバーは目の前の光景に更に肩を下げた。



「で、なんでお前らまでいるんだ?」



薄いグレーの瞳の先は、さも当たり前のようにこの場に佇んでいるエクソシスト組。

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