第80章 再生の道へ
「と、とにかく!もう午後には出勤するってリーバー班長にも話つけてるから、なんと言われようと行くからね。私、社会人!エクソシストの任務が絶対なように、大人は仕事する生き物なの!」
「なんか都合よく解釈してんさ…」
「知ってます?南さん。世の中にはニートっていう種族の大人もいるらしいですよ」
「アレンそれ凄くデリケートな種族だから、未成年が笑顔で突っ込んじゃ駄目!ということでいってきます!」
「あっ」
「ちょ、待てって!」
「仕事中毒で結構です!だからはーなーしーてー!」
リンクの両手を振り解いて背中を向ければ、今度はラビとアレンの手によって阻まれる。
未成年であってもしっかり体造りはできている男子二人に止められれば、先へ進みたくても足は一歩分も前へは進まない。
それでも足掻き続ける南に、咄嗟にアレンは彼女の視界に入り込むように、前へと回り込んだ。
「南さん待って!行くなら止めませんから!」
「や、現に今止められてるから!じゃあそこ退いてくれないかな!?」
「なら僕も行きます!」
「…はい?」
予想していなかったアレンの言葉に、ついぴたりと南の勢いが止まる。
肩を押さえていた手をアレンもまた止めると、眉を下げて微かに苦い笑みを浮かべた。
「なんで?」
「婦長さんも無理しないようにって言ってましたし。…南さんのこと、心配だから」
ぽかんと理解できず見てくる南に、笑いかけるアレンの笑みには少しだけ照れ臭さも混じる。
アレンらしいその優しさはあり難かったが、やはりどうにも子供扱いされてるような気がしてならないのは、気の所為だろうか。