第2章 私の周りのひと。
「でも休日もちゃんとあんだろ?」
「…まぁ…その日は大体、寝て潰すか読書だけど」
笑みの心意は唱えずに、いつもの雰囲気で雑談を続けるラビ。
さつま芋の天ぷらを口にしながら言えば、彼は子供みたいに口を尖らせた。
「つまんねー。遊びに行こうさ、外に!」
「それはアレンとか誘って行きなさいな。若者同士」
「若者って…南だって大して歳変わんねぇだろ」
「でも年上です」
私は疲れてんの。
子供じゃないの、大人なの。
おばさんなの。
…おばさんは言い過ぎたかな、逆に言われたらショックだし。
でも兎に角、エクソシストであるラビ達の体力と比べないでほしい。
「大体私に構わなくたって、女性ならリナリーっていう可愛い子がいるじゃない。その子を誘いなさいよ」
「確かにリナリーが可愛いことは認めるけどさ。オレが誘ってんのは、南だって」
「…なんでそんなに私に構うの」
確かに話は合うし、一緒にいて楽な存在。
でもそこまでラビが私を構ってくれる要素がわからない。
女の子なら、私より断然リナリー。
私がラビだったら、迷うことなくリナリーを選ぶ。
同じ10代だし、可愛いし可愛いし。
大事なことだから二回言いました。
遊び目的なら、疲れたなんだと愚痴る私よりアレン達の方がよっぽど楽しいと思う。
「私といても、別に楽しくないよ」
「まーたそうやって、自分を卑下する。そこ、南の悪いとこさ」
「いたっ」
そう言って、ラビの指先がぴんっと私の額を軽く弾いた。
「もちっと自信持つさ。南は科学班でも頼りにされてるし、一緒にいて楽しいし」
「えー…私がラビだったら、迷わずリナリーだけどなぁ。可愛いし、リナリー」
「だーかーらー…可愛いのは認めるけどさっ?」
「大人になったら、もっと美人になるんだろうなー。コムイ室長は背丈あるから、リナリーもまだ伸びるかな?」
「………南、リナリー好きさね」
「うん。可愛い女の子って、見てるだけで癒される」
普段、周りはむさ苦しい男性ばっかりだから。
ごめん科学班の皆。
でもアイドルなリナリーは、同性の私にとってもアイドルなんです。