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科学班の恋【D.Gray-man】

第78章 灰色の世界






















「っ…は…ッ」










『コムイだ、皆よく聞いてくれ。撤退は中止。各班、次の指示に直ちに取り掛かってほしい』










「は…ッは…!」










『これから第五研究室及び、本部内の負傷者救助を行う』










「ッ…!」










『レベル4は撃破された。…長い一日は、終わったよ』
















ドクドクと鼓動が煩い

痛んだ体を引き摺って走ってる所為で、血も止まらない




それでも足は止められない




エレベーターは壊れてて使えない

上手く動かない足に鞭打って階段を駆け上がる




早く 早く

早く あそこに行かねぇと




途中で通信ゴーレムから届いたコムイの言葉

無事な団員達に指示を出すその言葉は、やっぱり明白にリーバー達の生存を知らせていた




第五研究所は火の海だった

あの何処に避難していたのか、わかんねぇけど

無事だったんだ






「はッ…!」






息が切れる

運動の汗とも冷や汗ともつかないものが、体中を伝う




駆けて 駆けて 駆けて




一度も立ち止まらずに走り抜けた先






「こっちにも担架を!」

「傷の確認急いで!」

「おい!こっちも三名負傷者を発見!」






あんなに大きな火の海と化していた第五研究室

其処には天井に設置されたスプリンクラーと、救助隊が設置した放水装置によって大量の水が大雨のように降り注いでいた

火が消えて見えた研究室の大きな穴の中は、散々足る瓦礫の残骸の山

其処に救助に向かう沢山の団員と、担架で運ばれる沢山の研究員達の姿






「ッ…はぁ…」






上下に肩を揺らして息つきながら、その光景に目を見張った




担架で運ばれている研究員は皆、血だらけだった

赤い色がない者を探す方が困難なくらい

上半身や下半身を真っ赤に染めて、項垂れるように担架に横たわっている






「ッ…」






二人も同じなのか

ジジイはまだエクソシストとして共に戦ってきた経験がある分、見慣れてるけど

…南は

あの体も怪我を負っているのか

不安が襲う






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