• テキストサイズ

科学班の恋【D.Gray-man】

第78章 灰色の世界



高い天井からボタボタと落ちてくるAKUMAの残骸。
その中で一層大きな塊が、ゴトンッ!と鈍い音を立ててクロス元帥の足元に落下する。
ゴロリと転がって止まったそれは、レベル4の生首だった。



「くくく…くはははははっ」



罅割れた首だけで尚、高笑いするAKUMAはまだ動いていた。
まるで手足を捥がれても動き続ける昆虫みたいに。



「いいきにならないでくださいね。ぼくていどをはかいしたくらいで」



血走った目で見上げる先はクロス元帥。



「おまえたちなんていつでもほろぼせるっ」



その視線を受けて、微動だにしない元帥は口元に笑みを浮かべたまま。



「かつのはわれわれなのだ!」

「ぶぇっくしょい!」



───ドンッ!



わざとらしいまでのくしゃみを零した元帥の手から、反動で放たれる銃弾。
それはまるで正確に狙ったかのように、レベル4の頭を打ち壊した。



「おっと」



"しまった"とでも言うかのようにおどけて呟く元帥は、変わらぬ笑みを浮かべたまま。



「実験サンプルにするつもりだったのに」



白々しい程の台詞を吐き捨てた。






跡形も無く消えた、レベル4の生首があった場所に向かって。









/ 1387ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp