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科学班の恋【D.Gray-man】

第78章 灰色の世界



「上に逃れるつもりだ!シャッターを閉めろヘブラスカ!」

「駄目だ…!間に合わな───」



広間の天井には外に出られるシャッターがある。
ここまで追い詰めたのに逃がすなんて冗談キツイさ。
絶対にここで破壊しねぇと。



ビュオッ



するとヘブラスカの後ろから真っ白な帯状のものが飛び出した。
意思あるもののような動きで帯が天井に向かって飛ぶレベル4の体に絡み付く。
あれは…アレンの"道化ノ帯(クラウンベルト)"だ。



「行か、せる、か…!お前はここで破壊する!!」



伸ばした複数の白い帯を掴んで、瓦礫の間で踏ん張りレベル4の勢いを阻むアレン。



「うごおおおっ!!!」



それでもレベル4も退くことなく、渾身の力で高い天井のシャッターの前まで突き進んでいた。
手負いの獣程怖いものはない。
マジでここで破壊しねぇと…っ










「ほら、頑張れ頑張れ」










シャッターの向こう側から微かに聞こえたのは楽しそうに笑う声だった。










「来いよ。たぁっぷり遊んでやるぜぇ」



この声は確か…ソカロ元帥?

背筋を凍らせるような殺気立つ冷たい声で、なのに楽しそうに。
その声は間違いなくシャッターの外に飛び出そうとしていたレベル4に向けられていた。

逃げ出そうとしていたレベル4の体が止まる。

後方にはクロス元帥。
前方にはソカロ元帥。

逃げ場がないと悟ったんだろう。



その隙をアレン達は見逃さなかった。




「おおぉおお!!!」

「はぁあああ!!!」




追いついたアレンの退魔の剣とリナリーのダークブーツが後方からレベル4の体を貫く。
醜く膨れ上がったレベル4の腹を後方から貫いて、そのまま勢いよく飛び出した。
それは間違いなくレベル4破壊の決定打。



「ち…くしょう…くやしいなぁ」



腹に大穴を空けたレベル4の体がバチバチと強い電気のような光を纏う。



「でも…いっぱいころしてやったよ…」



光が増して白い体が更なる白さに包まれる。
あれはAKUMAが消滅する時の光だ。



「はくしゃく…さま…」



最後に力無き声で創造主の名を口にして。



ドォオンッ!



レベル4の体は大きな爆発を起こした。

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