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科学班の恋【D.Gray-man】

第78章 灰色の世界



「生きてる…って…」



それ、ほんとさ?

想像以上にオレの口から漏れた声は掠れていて、コムイには届かなかった。
そのまま広間の大きな扉を走って出ていく姿に、慌てて踏み出す。

待て、オレも行く…!










「いの せ んす」










聞こえたのは、途切れ途切れの子供の声。



「きらいきらいきらいきらいきらい!!!!」

「何…っ!?」



この声はレベル4…!?



「まだ生きてやがったのか…!」



ユウの声に思わず足が止まる。
アレンの退魔の剣で串刺しにされたはずのレベル4を見れば、腹に巨大な剣を刺したまま抗う姿が見えた。



「いのせんすだいきらいぃぃいいい!!!!!」



小さな手で剣を掴んで、自ら腹から引き抜こうとする。
退魔の剣は貫いたAKUMAやノアの体内の"魔"を浄化する代物。
あのノアであるティキ・ミックだって、一度退魔の剣に貫かれただけで吐血して倒れていた。

それを腹に串刺しにしてんのに。

なんて執念だ、まだあそこまで動けんのかあいつ…!



「こいつまだ動け───…ぐっ!」



押さえ込もうとしたアレン目掛けて、串刺しにされたままのレベル4が手から閃光を放つ。
咄嗟にマントで防いだものの、アレンの手は退魔の剣から離れてしまった。
その隙をレベル4は見逃さなかった。



「がぁぁああぁあああ!!!」



自らの腹に突き刺さった剣を抜き取り、アレン目掛けて投げつける。
ドス!とアレンの首擦れ擦れを掠めて、後ろの壁に突き刺さる退魔の剣。



「あまいね。このぼくがこのくらいで、こわされるわけないでしょう…っ」



太ったボテ腹に真横一直線、剣の傷を受けながらもしっかりと立ち上がるレベル4。
バチバチとその体から白い電気のようなものを散らせている。

奴の殺気か、退魔の剣を受けての反動か。
どっちにしろ、こんな状況でこの場を去る訳にはいかない。

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