第77章 生と死
「レベル…"4"」
ぽつりと呟かれたブックマンの言葉。
それは初めて聞いた名称だった。
AKUMAの最終形体は未だ不明で、そのレベルもどこまで上のものがあるのか定かじゃない。
現時点で確認されているものは、レベル3まで。
まだ進化するのかと、零していたブックマンの言葉が何よりもそれを明確にしていた。
教団の歴史ならブックマンも全て記録しているはず。
そんなブックマンでさえ知らないレベルのAKUMA。
〝レベル4〟
それは恐らく、新たなAKUMAの出現だった。
白い体に光り輝く楕円状のなにかを頭に備え付け、白い羽を背負った姿は…まるで悪魔とはかけ離れた、天使のような姿。
羽を羽ばたかせることなく、すっと研究広間の宙高くに浮かぶレベル4。
その口を静かに開いたかと思えば───
キィイィイイイイイイン!!!!!
それは最早"声"なんてものじゃなかった。
「うあ…!?」
「なん、だ…!?」
その口から発せられたのは、強烈な超音波のようなもの。
「なんて鳴き声だ…!頭が…!」
「潰れる…ッ!」
「くぅ…!」
咄嗟に両耳を強く抑える。
それでもガンガンと強く頭を殴られるような衝撃は治まらない。
痛い。
頭が割れてしまいそう。
「ぐ、ぁ…!」
「っ!班長…っ!?」
その衝撃故か、意識を失っていたリーバー班長が呻く。
その目は確かに開いていた。
ィイイン…
超音波のような"声"が静まる。
「ぅ、ぐ…」
それでも強い打撃を喰らったような頭はぐわんぐわんと揺れて、満足に動くこともできなかった。