• テキストサイズ

科学班の恋【D.Gray-man】

第77章 生と死



「…っ」

「アレ、ン…」



ぎゅっと二人の繋がれた手を握りしめる。

これ以上、二人に血を流させたら駄目だ。
体だけじゃない、心で流している血。
これ以上、二人の心を傷付けさせたくない。



「おおおぉお!!」



その手を離す瞬間に、渾身の力を振り絞って地を蹴る。
同時に発動した退魔の剣で、AKUMAに斬りかかった。



「お前を破壊する!レベル4!」



けれどすぐ傍にいたその小柄な体は、なんなく飛躍するとあっさりと攻撃を避けた。
紙一重で次々と攻撃を避けていく。
その顔に動揺の色は一切見られない。



「何…!?」

「しまった…!これはAKUMAのノイズ…!」



追いかけるままに突進すれば、いつの間にかブックマンとマリのいた場所へと駆けていた。
二人の目がレベル4を見て驚愕したものに変わる。



「あー」



同様にレベル4もその目で二人をちらりと視認すると、まるで何か思い出したかのように、額に指先を当てて声を上げた。



「そうだ、わすれてました。ここはくろのきょうだんほんぶでしたね」



拙い子供のような声で、子供らしかぬ言い回しをする。



「ブックマン!あっちに怪我人がいます、助けて…ッ!」

「!」



南さん達を放っておくこともできない。
地を蹴りながら、ブックマンに最低限の言葉で伝えた。

一人でも多くの命を助けないと。
倒れていたリーバーさんやバクさん達。
意識を失っているだけならまだいいけれど、それでもきっと重症だ。

/ 1387ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp