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科学班の恋【D.Gray-man】

第76章 終わりの始まり



AKUMA達の空気を止めたのは、ピリッと肌に感じる威圧だった。
一瞬にして、その場の空気が緊張感のあるものへと変わる。






「方舟、中々良い乗り心地だぜェ坊主」






一斉に固まったAKUMA達がその"声"に目を向ける。
黒い床から浮上したAKUMAの卵の上に立つ、その人物に。



「さァて、どうされたいか言ってみろ。AKUMA共?」



低く、どこか楽しそうに呼びかける声。
常にすっぽりと頭を全て覆う仮面を付けている大柄なその人物は、この教団でトップ4の中に入る実力者。
ウィンターズ・ソカロ元帥。



「元帥が…!」

「よかった、間に合ったんだ…!」



卵の上に立っているのは、ソカロ元帥だけじゃなかった。
残り全ての元帥が当たり前にその場に姿を成していて、言葉を発さずとも、その威圧感をAKUMA達に放出していた。

マービン達の歓声に、つい笑みが浮かぶ。
よかった、今度こそ。
元帥達ならこの大量のAKUMA達も、きっと倒すことができる。



ガッ…!



「アレン…!」



そこに元帥達の後方から跳んできたアレンが、シールドの前にいたAKUMAを蹴り飛ばす。
アレンの助けが入ったことよりも、その腕の中の存在に目は奪われた。

ぐったりと力なく、アレンに抱かれている南の姿。



「リーバーさん、南さんを…!」



アレンの言葉を聞き終える前に、装置を切って張っていたシールドを消す。



「南…!」



駆け寄り腕を伸ばす。
何度も伸ばしては、届かなかった腕。

その手がやっと、



「…リーバー、班長…」



南に触れた。






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