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科学班の恋【D.Gray-man】

第76章 終わりの始まり



それは長いようで短くて。
嫌な汗ばかり流れる時間だった。



「コード抜いたぞッ」

「そっちのプラグ寄越せ!」

「バク支部長、もう少しで装置完成します…!」

『ああ、こっちもだ!』



大量のAKUMAをアレンとブックマンが引き付けてくれている間に、ロブ達と結界装置の完成を急ぐ。

新たなエクソシストがアレンの方舟から、姿を現す気配はない。
そんな状況下で、ただ黙ってアレン達を見守ることなんてできなかった。
結界装置ができたら、あのスカルとかいう髑髏共を止めないと。
未だあの髑髏共の手によって、俺の部下達はタップと同じに頭部が髑髏の人形に次々と変えられていった。

アレンがそれを止めようとしてくれているが、それでも大量のAKUMA相手に抗うことで精一杯のようだった。
そしてその腕の中には、負傷した南の姿。



「……ッ」



アレンの手によってすぐに南はAKUMAの腕の中から助け出された。
だけどそんな南に安堵したのは、一瞬だけだった。
AKUMAに取り囲まれているアレンに、その腕の中にいる生身の人間である南への危険性は高い。
一歩間違えれば、簡単に殺されてしまう。

それでもアレンが南を手放さないのは…恐らく、またスカルという人形の材料にされるのを恐れてるからだ。
エクソシストではない俺達じゃ南を守れない。
だからアレンが身を挺して守り続けている。

だからこそ早く結界装置を完成させねぇと。
南の為にも、アレンの為にも。



「これで…上手くいけば…ッ」



繋げたプラグを確認して、スイッチを入れる。
バチチッと弾けるような音が一瞬して、電気が目の前の機器を伝わったのがわかった。

───よし!



「できた…!」



果たしてちゃんと起動するのか。
そんな確認をしてる暇はない。



「支部長、俺はあの髑髏を止めに───」

「あぁあああッ!!!」



イヤホンの向こうに呼びかけようとした俺を止めたのは、劈くような鋭い悲鳴だった。

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