第76章 終わりの始まり
「ああぁああぁあ!!!」
「た、タップ…!やめて!殺さないで…!」
勢いよく炎が上がる。
タップの全身から。
劈くような悲鳴を上げるタップに、縋るように手を伸ばしているのは南だった。
「あぃ…!あぁあッあぁあぁああ!!!!」
「ッタップ…!やめて!やめてぇ!!」
タップと同じ。
劈く悲鳴のような叫び。
伸ばした手は炎と同じ色を纏う。
それでも躊躇なくタップに触れようとする南を止めたのは、
「こらこら、お前さんも燃えてしまうと言ってるのに。おい、引き離せ」
「ッ…!?」
髑髏に支持されたAKUMAだった。
「ぃ、嫌…!放してッタップが、タップ…!」
簡単にAKUMAに体を抱え上げられた南が、その腕の中で抗う。
それでもAKUMAにとっては弱々しい抵抗でしかなく、そこから抜け出すことはできないようだった。
「ぁあぁ…ッ」
「タッ、プ…ッ」
劈くような悲鳴が掠れ消えていく。
タップの体が燃やし尽くされていく。
死んでゆく。
その様をすぐ傍で目の当たりにした南の声もまた、掠れて萎んでいく。
「……ッ」
何も言えなかった。
何も考えられなかった。
圧倒的な無残な仲間の死に様を目の前にして、それを目の当たりにされた南の姿を目にして。
息を呑んだまま、俺も俺を押さえ付けていたロブ達も。
誰も何も言えず。
その場から動くことさえできなかった。