第73章 あくまが来た日
「なんかさー。南のあの子供姿がすっかり脳内で定着しちゃってさ。こう、科学班のマスコット人形的な!」
「そうそう。放っといたらどっかで迷子とかなりそうだし。オレらがしっかり保護者役しねぇとなって」
「……私、もう子供じゃないけど」
というか中身はずっと大人だったんですけど。
「わかってんだけどさ、なんかイメージ定着しちゃって。よーしよしよしー」
「また今度小さくなった時は、チャイナだけじゃなくドレスとかも着てみせろよー」
「………」
満面の笑みで頭を撫でてくるジョニーに、満面の笑みで肩を叩いてくるタップ。
……うん。
一瞬、珍しいなぁなんて思った私が間違ってた。
微塵も変わってなかった。
科学班の皆はいつもこうだよ、本当。
「…クロス元帥の方がマシかも」
「え?」
「何が?」
私をまだ女性として扱ってくれる分、マシかもしれない。
…別に、女性として見られてないのはいいんだけど……もう仕事仲間としても見られてないってどゆこと。
大体マスコット人形って何。
もう人間ですらない気がするんだけど。
「………」
「あ。南の奴、なんか不貞腐れてる」
「可愛いじゃん、マスコット。拗ねるなよー」
私は科学班のマスコット人形なんかじゃありません!