• テキストサイズ

科学班の恋【D.Gray-man】

第71章 〝おかえり〟と〝ただいま〟



「…ん…ただいま」



するとラビの腕が背中に回って、そのままぎゅうっと抱きしめられた。



「ただいま、南」



噛み締めるように言葉にする。
どこか掠れた、小さな声。

胸がぎゅっとなる。
その思いのままに、血と焦げた臭いの混じった体に素直に身を預けた。



「おかえり…ラビ」



リーバー班長と同じくらいに高い背丈を折り曲げて、少し痛いくらいに抱きしめてくるラビの体。
触れて実感する、ラビが目の前にいること。
その存在に、どこか愛しさに似たものを感じた。



どんなに酷い怪我を負ってたって、ちゃんと笑顔で迎えるから。
だからどんな顔したっていいよ。

泣いてもいい。
弱い顔したっていい。
他の人に見せないように、私が隠すから。

ラビが私に、そうしてくれたように。






























「………で。そろそろツッコんでもいいですか?」



不意に近くで届いたのはアレンの声に、はっとする。

あ。
そ、そうだ此処…っ思いっきり皆がいたんだっけ…!

/ 1387ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp