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科学班の恋【D.Gray-man】

第67章 出会い



「ただいまかえりました」

「あれっ南?帰ってたんだっ」

「うん、ついさっき。いまリーバーはんちょうがコムイしつちょうのところで、にんむほうこくしてくれてる」

「そっか。任務お疲れ様」



一応顔は出しておこうと、科学班の研究室の扉を開いた。
当たり前にジョニーやタップやマービンさん達が、出迎えてくれる。



「おー、久しぶりの幼女南だなー。仕事で疲れた俺に癒しをくれ」

「わ…っ」

「おいマービン。もうただの変態だぞそれ」

「次ハグすんのオレね、オレ♪」

「タップはなんかもう…色々とアウト」

「なんで!?」



マービンさんの強制ハグを喰らいながら、弄られるタップについ笑みを零す。

此処は聖戦の為に成り立ってる組織だから、人の死はいつも近い。
だからこそ、こうやって変わらず明るい皆でいてくれてることは…私には大きな支えだった。
いつだって変わらない、科学班の皆。

そして。
そんな皆と、変わらず接していられている自分。

あのノアの一件で、科学班の皆と変わらず雑魚寝できる仲でいられるのか、そんな不安を感じていたから。
こうして当たり前にマービンさんの腕の中にいて平気な自分が、嬉しかった。



「…ありがとう、みんな」

「ん?どうし───…ぉお?」

「え?」

「南が…マービンに甘えてる…!?」

「お、おいおいどうした南…っ頭でも沸いたかっ?」



目の前のマービンさんの首に腕を回して抱き付けば、途端に周りの反応が異常になった。
………私が甘えるのって、そんなに珍しかったかな。



「どうした?南。何かあったのか」

「いえ…なんか、かえってきたなぁって」



ぽんぽんと軽く頭を撫でてくれるハスキンさんに、顔だけ上げて笑いかける。



不安はある。

エクソシストは常に死と隣り合わせにいる存在。
最近、その存在をクロス元帥や神田のおかげで身近に感じることが多かった所為か。
身近に感じれば感じるだけ、募る不安。

でもそんな不安を抱えてしまうのは、きっと何より──






ラビを思う心があるから。

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